2006 Fiscal Year Annual Research Report
発達期PCB暴露による行動異常への甲状腺ホルモンとアミン神経系の関与
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18790761
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
太田 健一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (50403720)
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Keywords | 行動異常 / 環境ホルモン / モノアミン / 脳発達障害 |
Research Abstract |
脳発達期のPCB曝露による脳神経への影響として行動異常とモノアミン神経系との関連を調べることを目的とし、当研究室ですでに投与法が確立しており、PCBと同じように胎生期曝露により行動異常を引き起こすことが示唆されている胎生期アルコール曝露ラットを用いて、モノアミン系神経の中で情動や覚醒に関係が深いドーパミン(DA)神経とセロトニン(5-HT)神経への影響を調べた。 妊娠10日から21日の間、SDラットに2.5〜5%のエタノールを含む液体飼料を与え、その仔を60〜70日齢で各解析に用いた(Et群)。対照にはエタノールをシュークロースで置き換えた飼料を与えたラット仔を用いた(PF群)。また無処置群として固形飼料を与えたラット仔を用いた(Int群)。行動試験では、Et群はPF群、Int群と比較して通常の飼育環境下での活動量に変化はなかったが、新環境下では探査行動が有意に減少しており不安をより強く感じていることが示唆された。また、免疫組織学的観察では、Et群で中脳縫線核の5-HT陽性細胞の数が減少していた。一方、DA神経への影響を調べるため線条体、側座核、黒質、腹側被蓋野でのチロシン水酸化酵素とDAトランスポーターの発現と局在を比較したがEt群とPF群、Int群との間で差は見られなかった。これらのことから胎生期エタノール曝露による5-HT神経系の異常は成熟後も保持され、探査行動の減少(不安レベルの上昇)の原因となっていることが示唆された。
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Research Products
(2 results)