2006 Fiscal Year Annual Research Report
早産児・極低出生体重児の出生時高サイトカイン血症が発達に及ぼす影響の検討
Project/Area Number |
18790762
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
金城 唯宗 九州大学, 大学病院, 医員 (70419539)
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Keywords | flow cytometer / 極低出生体重児 / サイトカイン / 長期予後 |
Research Abstract |
平成18年度は、対象となる極低出生体重児のデータ収集ならびに出生時と1か月時の血清の採取を行っていった。また、保存血清でflow cytometerを用いて炎症性サイトカインならびにケモカインの測定を行った。測定したサイトカイン・ケモカインと発達との関連の検討に関しては、修正1歳6月ならびに3歳時に新版K式発達検査2001を予定しており、平成18年度に採取した症例については、平成19年度末に短期的予後として解析を行う予定としている。 平成18年度は、以前に文章による研究の同意が得られており、血清を保存できていた症例を用いた予備研究を行った。子宮内感染による高サイトカイン血症と脳性麻痺との関連性の報告はあるが、発達との関連性は明らかではない。さらに長期予後に関しては、出生後の児の状態変化も重要な因子と考えられる。胎内での高サイトカイン血症と脳性麻痺との関連から、出生後の高サイトカイン血症と発達の関連性も十分に考えられ、出生後特に急性期の炎症の持続・遷延と発達の関連性を考えた。そこで、白血球数やCRPの変動と発達との関連を検討したところ、出生時、2週間目および1か月時の白血球数の変動、特に高値の持続と3歳時の発達指数との関連性が示唆された。'保存血清による炎症性サイトカイン・ケモカインの測定を行い、1か月時のCXCL8/IL8と3歳時の発達、特に認知・適応領域との関連性が示唆される結果が得られている。予備研究であり、症例数が少なく、今後も引き続き症例の蓄積を行いながら、検討を進めているところである。
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