2007 Fiscal Year Annual Research Report
早産児・極低出生体重児の出生時高サイトカイン血症が発達に及ぼす影響の検討
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18790762
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
金城 唯宗 Kyushu University, 大学病院, 医員 (70419539)
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Keywords | flow cytometer / 極低出生体重児 / サイトカイン / 長期予後 |
Research Abstract |
平成18年度の予備研究で、出生時、2週間目および1か月時の白血球数の高値持続と3歳時の発達指数との関連性が示唆され、さらに炎症性サイトカイン・ケモカインとの関連性も示唆された。 以上の結果に基づき、在胎24週以上の極低出生体重児で先天性の奇形がないAppropriate-for-dates児のみを対象とし、さらに出生から1か月目採血までの間にステロイドを投与した症例を除外して検討した。出生時と生後1か月の保存血清でflow cytometerを用いて炎症性サイトカイン・ケモカインの測定を行った。絨毛膜羊膜炎と3歳時の発達(新版K式発達検査2001)の間には有意な相関はみられなかったが、絨毛膜羊膜炎があった症例では出生時のCXCL9/MIGが高値であり関連性が示唆された。出生時のCXCL9/MIGと3歳時の発達との関連は明らかではなかった。しかし、出生時と1か月のCXCL9/MIGが共に高値であった群では、3歳時の姿勢・運動領域で有意に発達が遅れていた。出生時と1か月目でCXCL9/MIGが高値であった場合、炎症所見が持続しているかどうかは明らかではないが、1か月目のCXCL9/MIGが高値である症例は生後2週間目の白血球数が高値であり、炎症が持続している可能性を考えた。 以上より、出生時に高サイトカイン血症であった場合、それが遷延することで発達に影響を及ぼすことが考えられた。ただし、症例数が不十分であり、さらに症例の蓄積を行い解析をすすめているところである。
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