2008 Fiscal Year Annual Research Report
ダウン症発症におけるSIM遺伝子発現機構とSIM蛋白質相互作用ネットワークの解明
Project/Area Number |
18790766
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
八巻 明子 Kyorin University, 保健学部, 講師 (40296546)
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Keywords | ダウン症候群 / SIM2遺伝子 / プロモーター / SIM2_L / SIM2_s |
Research Abstract |
SIM2s転写産物のプロモーター解析と発現様式の確認 SIM2遺伝子はエキソン11個からなる遺伝子であるが、エキソン10と11の間でのalternative splicingにより、Longタイプ(SIM2_L)とShortタイプ(SIM2_s)の2種類が存在することが近年報告され、SIM2_sは乳ガン、大腸ガン、膵臓ガン、前立腺ガンなどの固形腫の腫瘍マーカーとして注目されている。また、女性のダウン症愚者において乳ガンの発症率が10倍以上低いという報告があることから、ダウン症発症メカニズムの解明の一端としてSIM2_sの発現機権についての解析を行った。我々は種々のヒト癌細胞由来の細胞株からRT-PCR法を用い、SIM2_L、SIM2_s発現量の違いを比較検討した。さらに、SIM2_sにおいてexon3と8が各々欠失したクローンを検出し、SIM2_Lを発現せずSIM2_sのみを発現する細胞株を3種類(MCF7(乳ガン由来)、ASPC1(膵臓ガン宙来)、KG1c(乏突起神経膠腫由来)見いだした。これらの細胞株を用いてSIM2_s遺伝子のプロモーター解析およびSIM2_s転写発現に関与する因子の同定を行った。プロモーター領域を組み込んだ13種類のプラスミドを用い測定した結果、SIM2_Lでは検出されなかった領域nt-1263〜-500に強い活性が認められた。この領域内から転写因子のシスエレメントを予測後、転写因子結合配列のコンセンサス配列を変異したプラスミドを作製し、プロモーター活性測定を行った。ASPC-1細胞でのみnt-700〜-184に存在する転写因子HIFF/HIF(Hypoxia inducible factor)のシスエレメント活性値が野生型に比べ1.1倍活性が上昇した。今後、ゲルシフトアッセイあるいはChipアッセイにて領域内のHIFF/HIF転写因子結合にろいて検討を行う。
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