2009 Fiscal Year Annual Research Report
ダウン症発症におけるSIM遺伝子発現機構とSIM蛋白質相互作用ネットワークの解明
Project/Area Number |
18790766
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
八巻 明子 Kyorin University, 保健学部, 講師 (40296546)
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Keywords | ダウン症候群 / SIM2遺伝子 / プロモーター / ゲルシフトアッヤイ / HIF / NF1 / MyoD |
Research Abstract |
SIM2s転写産物のプロモーター解析と発現様式の確認 エキソン11個からなるSIM2遺伝子は、21q22.2に座位し、ダウン症関連遺伝子として単離されたbasic helix-loop-helix(bHLH)-PAS型転写因子の一つである。近年、エキソン10と11の間のalternative splicingにより、Longタイプ(SIM2_L)とShortタイプ(SIM2_s)の2種類の遺伝子の存在が判明した。SIM2_sは大腸ガン、膵臓ガン、前立腺ガンなどの固形腫の腫瘍マーカーとして特に注目されている。また、女性のダウン症患者において乳ガンの発症率が10倍以上低いという報告があることから、ダウン症発症メカニズムの解明の一端としてSIM2_sの発現機構についての解析を平成21年度は行った。先に見いだしたSIM2_L、SIM2_s発現パターンの違いを持っヒト癌細胞株を用いてSIM2_s遺伝子のプロモーター解析を行い、SIM2_Lでは検出されなかった領域nt.-1263~-500に強い活性が認められたことから、このDNA配列内に存在する転写因子のシスエレメントを検索した。その中からbHLH-PAS転写因子であるHIF、核因子NF1および領域外ではあるがSIM2_Lではプロモーター活性の少なかっだ領域め筋肉発現転写因子MyoDのシスエレメントを5'biotin標識化しプローブとしてゲルシフトアッセイを行った。HIFおよびNF1プローブではMCF7においてバンドが検出されたが特異性は低かった。MyoDプローブを用いた際、用いた細胞株ごとに野生型配列と変異配列ではシフトバンドの変化が検出された。これらの事から、SIM2_Lとは異なるSIM2_s特異的な遺伝子発現メカニズムの存在が示唆された。
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