2006 Fiscal Year Annual Research Report
酸素による動脈管収縮メカニズムの解明-プロテインチップシステムを用いて-
Project/Area Number |
18790767
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
初鹿野 見春 日本医科大学, 医学部, 助手 (60350112)
|
Keywords | プロテインチップ / 動脈管 / 酸素感受性 / 胎仔 / 蛋白質 |
Research Abstract |
平成18年度の研究は以下のようにまとめられる. 1.動脈管の摘出:妊娠29日(満期31H)の家兎にネンブタールを耳静脈より静注することにより麻酔し,胎仔を取り出す.さらに,胎仔から動脈管を実態顕微鏡下で摘出する. 2.動脈管の低酸素化,高酸素化:摘出した動脈管を2分割してKrebs Ringer液に入れ,100%窒素と100%酸素でそれぞれ別々にバブリングする.バブリングにより低酸素化ならびに高酸素化した動脈管組織をプロテインチップ作成まで-80℃で保存する. 3.プロテインチップの作成:動脈管組織をurea buffer内で超音波破砕し,その溶液を用いてプロテインチップを作成する.今回用いたプロテインチップは金属イオン親和性のIMAC30 Protein Chip Arrayである. 実験経過ならびに結果: 妊娠家兎からの動脈管の摘出ならびに摘出した動脈管の低酸素化,高酸素化,さらにはプロテインチップ作成までの間の超低温での保存は順調にできた.IMAC30を用いたプロテインチップ解析では4268da,12223da,5595da,6067da付近に蛋白質の発現に差が見られた. 来年度の実験予定: 本年度はpreliminaryなデータであり,今後,他のProtein Chip Array(例えば,陰イオン交換Q10,陽イオン交換CM10など)に変えて実験を追加しなければならない.また,動脈管と酸素と逆な反応をする末梢肺動脈なども,実験組織として採用し,動脈管と比較検討する必要があると思われる.
|