2007 Fiscal Year Annual Research Report
酸素による動脈管収縮のメカニズムの解明-プロテインチップシステムを用いて-
Project/Area Number |
18790767
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
初鹿野 見春 Nippon Medical School, 医学部, 助教 (60350112)
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Keywords | プロテインチップ / 動脈管 / 酸素感受性 / 胎仔 / 蛋白質 |
Research Abstract |
平成18年度に行った研究成果を踏まえ,今年度は昨年度用いた金属イオン親和性プロテインチップ IMAC30とは別のプロテインチップを用い実験を行ってみた.さらに,酸素に対して動脈管組織とは全く反対の反応を呈する(酸素により拡張する)末梢肺動脈血管平滑筋を用いて研究を行った. <実験方法>(1)新たなプロテインチップによる解析:陰イオン交換Q10チップならびに陽イオン交換CM10チップにより動脈管血管平滑筋の低酸素・高酸素下の条件での蛋白質の発現を比較検討した.(2)IMC30,Q10,CM10を用い,末梢肺動脈血管平滑筋を用い,動脈管血管平滑筋での蛋白質の発現を比較検討した.<実験結果>(1)Q10,CM10においてもIMC30と同様24時間高酸素でバブリングした方が,窒素でバブリングした方より,4268da,12223da,5595da,6067da付近で蛋白質の発現が増加していた.一方,(2)末梢肺動脈との比較では,IMC30チップにおいて,8185da,10635da,12153da,12339da付近の蛋白質の発現が動脈管の方に高発現を認めた. <今後の課題>平成18年度,19年度の研究でいくつか動脈管血管平滑筋の酸素感受性に関れすると思われる蛋白質の候補が見つかった.動脈管の閉鎖機転は未熟な動脈管では弱く,成熟した動脈管では強く表れることは一般臨床ではしばしば経験されるところであり,今後は発達に伴いこれまでの研究で得られた酸素感受性蛋白質の候補が増加するかどうか検討を加えていきたい.具体的には,妊娠23目,26日,30日の胎仔動脈管と生後2日齢の新生仔動脈管の蛋白質発現の差を比較検討する.
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