2006 Fiscal Year Annual Research Report
スフィンゴ脂質による皮膚細胞外基質関連遺伝子の制御機構について
Project/Area Number |
18790772
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山中 正義 群馬大学, 医学部, 助手 (30323364)
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Keywords | シグナル伝達 / 脂質 |
Research Abstract |
Sphingosine-1-phosphate(S1P)生成酵素であるSphingosine kinase-1(SPHK1)遺伝子を強制発現した細胞ではI型コラーゲン遺伝子の転写活性は抑制され、RNAi法によりSPHK1遺伝子発現を抑制した細胞ではI型コラーゲン遺伝子の転写活性は増強された。また、Sphingosine-1-phosphate(S1P)分解酵素であるsphingosine-1-phosphate lyase(S1PLyase)遺伝子を強制発現した細胞ではI型コラーゲン遺伝子の転写活性は増強された。以上より、ceramide-S1P代謝において、S1P寄りに傾くと、I型コラーゲン遺伝子の転写活性は抑制されるのではないかと考えられた。更に、TNFα及びTGF-β刺激によりSPHK1遺伝子発現は増強し、SPHK1遺伝子を強制発現した細胞ではNF-Kβ、c-Jun活性が亢進していることから、TNF-αはSPHK1遺伝子発現を増強することによりNF-κβ/JNKシグナリングを活性化し、I型コラーゲン転写活性を抑制しているのではないかと考えた。また、SPHK1遺伝子を強制発現した細胞では、TGF-β刺激によるSMAD3の核内節が抑制されることから、SPHK1は、TGFβによるI型コラーゲン転写活性の増強を抑制する働きもあることが明らかになった。更に、SPHK1遺伝子を強制発現した細胞では、MMP1転写活性を増強しており、MMP1転写活性の増強にもTNF-αシグナリングが関与していると考えられる。以上の結果より、ceramide-S1P代謝において、S1P寄りに傾くと、細胞外基質の沈着が抑制される方向に傾くことが明らかとなった。
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