2008 Fiscal Year Annual Research Report
中毒性表皮壊死症モデルマウスを用いた表皮ケラチノサイトのアポトーシス誘導の解明
Project/Area Number |
18790773
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鎌田 憲明 Chiba University, 医学部・附属病院, 講師 (00334186)
|
Keywords | 皮膚疾患 / 免疫学 / ケラチノサイト / アポトーシス / 発症病理 |
Research Abstract |
中毒性表皮壊死症の主な病態は表皮ケラチノサイトのアポトーシスと考えられていますが、そのメカニズムの解明のためマウスの骨髄移植後のgraft-vs-host disease(GVHD)で生じる皮膚症状をモデルとして、昨年度に引き続き中毒性表皮壊死症(TEN)のモデルマウスの作成に取り組みました。これまでのallo GVHDをモデルでは皮膚症状の発現がまちまちで、皮膚症状の発現前に死亡してしまう個体が多かったことから、特異的にalloのケラチノサイトを認識するリンパ球を誘導する必要があると考え、hostのケラチノサイトを予めdonorに免疫した後、donorのリンパ球をhostに移植するモデルで検討を行いました。具体的には、hostの胎児からケラチノサイトを分離培養し、2〜5x10^5のケラチノサイトをdonorの腹腔内に投与、2週間後にdonorの脾臓から採取したCD8陽性Tリンパ球を2x10^7個尾静脈に移植を行いました。しかし、皮膚症状が軽度でTEN様の症状が誘導できなかったため、その後免疫の回数を2〜3回に増やしたり、donorのリンパ球を5x10^7に増やして検討しましたが同様の結果でした。元々、モデルを作成後、gldマウス(FasL機能欠損)、perforinノックアウトマウスをdonorとして使い、ケラチノサイトのアポトーシスに関与する分子を解明する予定でしたが、granulysinが表皮ケラチノサイトのアポトーシスに関与しているというデータがNature medicineに報告されたことから、このマウスのGVHDモデルでは表皮ケラチノサイトのアポトーシスの解明は難しいと考え、現在実験方法を変更し、患者自身のケラチノサイトを用いて3次元培養表皮を作成し、それを患者のリンパ球および被疑薬と反応させることで、TENにおける表皮アポトーシスのモデルを作製しているところです。
|