2006 Fiscal Year Annual Research Report
DFS70/LEDGF抗原の表皮細胞と皮膚疾患における役割について
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18790783
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉浦 一充 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 講師 (70335032)
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Keywords | DFS70 / LEDGF / アトピー性皮膚炎 / ケラトヒアリン顆粒 / Bip / 免疫電顕 / 抗DFS70抗体 / 主要組織適合抗原 |
Research Abstract |
DFS70抗原は私たちが同定した核内抗原で、すべての臓器に存在するが,その後の解析で抗DFS70抗体はアトピー性皮膚炎(AD)の3割近くの患者に検出される。この抗体陽性のAD患者は顔面皮疹を有することが多い。今年度の成果としては、DFS70抗原が表皮において蛋白発現レベルが高いこと明らかにし、各種培養細胞では核内に存在するDFS70抗原が正常表皮ではケラトヒアリン顆粒に集積する(右図(実線は200nm))事と,角質層に多く存在する事を免疫電顕を用いて発見した。さらに、DFS70抗原と小胞体ストレス関連シャペロンであるBipが結合し、Bipも正常表皮のケラトビアリン顆粒と角質層に集積する事も免疫電顕にて明らかにした。以上の結果をJ Invest Dermatolに発表した。(J Invest Dermatol 127:75-80,2007)昨年アトピー性皮膚炎の原因遺伝子の1つがケラトヒアリン顆粒に存在するフィラグリンであることが欧米のグループから報告されたが、局在が一致しているところが、興味深い。この結果については、第36回ヨーロッパ研究皮膚科学会(2006年9月、於パリ)にても発表した。さらに、私たちは、抗DFS70抗体陽性者の主要組織適合抗原について検索したところ、膠原病や、膠原病特異的自己抗体陽性者において頻度の高い主要組織適合抗原とは一致しないことをみいだし、従来どおり、本抗体が膠原病と関係が乏しいことを裏付ける結果となった。この結果について報告した。(J Autoimmun 26:252-257,2006)
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