2006 Fiscal Year Annual Research Report
色素性乾皮症バリアント群の遺伝子診断法を確立する。
Project/Area Number |
18790787
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷岡 未樹 京都大学, 医学研究科, 助手 (00402842)
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Keywords | 色素性乾皮症 / バリアント群 / 遺伝子診断 |
Research Abstract |
本年度は光線過敏症状がありXPV群を疑われる患者から得られた培養線維芽細胞がDNA合成酵素H(POLH)の遺伝子変異をDNAシークエンス法を用いて検討した結果、いくつかの特徴的な遺伝子変異を同定することができた。さらにPOLH遺伝子の変異を有している細胞が正常なPOLHタンパクを発現しているかどうか免疫沈降法を用いてタンパク質のレベルで検討した結果、変異を有している細胞には蛋白の発現がない、もしくはとても弱いことが判明した。また、この免疫沈降法で正常なPOLHタンパクが検出できなかった細胞がDNA合成酵素H遺伝子の変異を有しているか否か検討し、POLHタンパクの発現の有無がPOLH遺伝子の変異の有無と相関していることを確認した。さらにこの相関関係をふまえて、光線過敏症状を有する患者がXPV群かどうかのスクリーニング検査に免疫沈降法が利用できるかどうか検討中である。XPV群において同定された遺伝子変異は、日本人患者に特定の変異であり、諸外国の遺伝子変異とは相異なるものであった。さらに残念ながらこれらの変異は新たな制限酵素サイトを有しておらずPCR-RFLP法によるスクリーニングは可能となっていない。日本人に特徴的な変異は変異の箇所がスプライシング異常を来すようなイントロンエクソンの境界部にありRT-PCR法を用いてスプライシング異常が認められることを確認した。上記研究結果の第一報は国際英文雑誌に投稿中である。
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