2006 Fiscal Year Annual Research Report
食物アレルギーにおけるアレルゲンの同定とアレルゲンの体内動態の解析についての検討
Project/Area Number |
18790796
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
猪又 直子 横浜市立大学, 附属病院, 準教授 (20347313)
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Keywords | 食物アレルギー / アレルゲン / 花粉症 / 口腔アレルギー症候群 / 蕁麻疹 / 交叉反応性 / 納豆 / 小麦 |
Research Abstract |
本研究は、近年注目される食物アレルギーの抗原同定及び病態解明により診断法や治療法を開発することを目的とする。 1)花粉症に合併する、植物由来食品による口腔アレルギー症候群(Oral allergy syndrome : OAS) (1)スギ花粉とハンノキ花粉の感作率とOASの合併頻度 皮膚アレルギー337例を対象にスギとハンノキの特異IgE抗体測定(CAP-FEIA : CAP)を測定した。その結果、スギ花粉感作率は73.7%、ハンノキ花粉感作率は23.4%であった。スギ花粉感作例のうち4.9%に、ハンノキ花粉感作例の12.7%にOASの合併がみられた。 (2)現行のin vitro検査の信頼性について:skin prick test(SPT)と特異IgE抗体測定の相関 OASが疑われる118例に、被疑食物に対するSPTとCAPを実施し、2つの検査結果の相関を解析した。明らかな病歴を有し、かつSPT陽性である診断例63例の主な原因食品はリンゴ、モモ、キウイ、メロンであった。4つの食物についてCAPとSPTの相関を調べた結果、リンゴでは両者の結果の間に有意な相関をみとめたが(r=0.39,p<0.05)、メロン、モモ、キウイではみとめられなかった。またOAS診断例における花粉症の合併率は66.1%であった。 今後花粉や食物の抗原を解析していく 2)納豆による遅発性アレルギーの抗原解析 当施設では、わが国の伝統的食品である、納豆による遅発性アレルギーを2004年に初めて報告した。本症5例の抗原解析をIgE-immunoblottingにより施行した結果、4例の血清IgEは38、28、26kdの蛋白質に共通に反応を示した。アミノ酸配列解析や抗原精製ののち阻害試験を予定している。 3)食品血液中濃度の解析 小麦グリアジンを含め4種の食品由来蛋白の血液中濃度測定系(ELISA法)を作成ないし試作した。今後は実測可能か確認していく。
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