2007 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚悪性腫瘍に対する新規サイトカイン療法の探索研究
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18790803
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 篤子 Jichi Medical University, 医学部, 研究員 (50382916)
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Keywords | 腫瘍免疫 / インターフェロン / NK細胞 |
Research Abstract |
IFN-λは2003年報告された新規サイトカインでType I IFNに類似した構造をもち、抗ウイルス効果を示すことが知られ、またがん細胞の増殖を制御するとともに、宿主NK細胞の活性化を介して抗腫瘍効果を発揮する。平成19年度ではマウスIFN-λによるNK細胞の活性化と抗腫瘍効果について、Type I IFNであるIFN-αやNK細胞を分化・成熟させると報告されているIL-21など各種サイトカインによるNK細胞の増殖・活性化能を指標に比較検討を行った。In vitroで各種サイトカイン刺激後のDX5+NK細胞内perforinのinductionをWestern Blot法で解析した。その結果、コントロールのIL-2単独よりもIFN-λおよびIL-21添加群においてperforinの発現が増強していた。また各種サイトカイン存在下でNK細胞を培養し、細胞のproliferationをBrdU uptakeで比較したが、その増殖能に大きな差は認めなかった。サイトカイン暴露後のNK細胞とがん細胞をco-cultureし、cytotoxic assayを行うと、IFN-λによるNK細胞の活性化はIL-21やIFN-αほど強力なものではないことがわかった。次に、in vivoで、B16/F10細胞による肺転移モデルマウスにおける、IFN-λ或はIL-21遺伝子の導入による抗腫瘍効果を検討した。その結果IL-21処理群では優れた肺転移形成抑制能を示したが、IFN-λとの有意差は認めなかった。以上の結果から、IFN-λによるNK細胞の増殖・活性化能は、IL-21およびIFN-αには及ばないことがわかった。次年度はさらにIFN-λによるNK細胞の活性化についてより具体的な分子間メカニズムについて研究をすすめる予定である。
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