2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト頭部皮膚由来毛包幹細胞の分離培養と末梢神経、脊髄損傷部の再生能の確認
Project/Area Number |
18790804
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
天羽 康之 北里大学, 医学部, 助手 (10306540)
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Keywords | 毛包肝細胞 / ネスチレ / 再生医療 / 末梢神経 |
Research Abstract |
我々は神経幹細胞のマーカーであるネスチン遺伝子に緑色蛍光蛋白質(green fluorescent protein(GFP))を組み込んだトランスジェニックマウス(ネスチンGFP-Tgマウス)を用いて、(1)(皮膚毛包幹細胞が分布する毛隆起(bulge area)と、毛隆起に連結する真皮血管網におけるネスチンの発現亢進の確認。(Y.Amoh et al.,PNAS 101,13291,2004,) (2)抗腫瘍剤誘発性脱毛に伴う、ネスチンを発現する血管密度の減少と毛包幹細胞の増殖抑制による脱毛の発症経路の証明。(Y.Amoh et al.,J Invest Dermatol 127,2006) (3)様々な悪性腫瘍の新生血管におけるネスチンの発現亢進と、腫瘍新生血管と腫瘍細胞の相互作用の解明、腫瘍新生血管の定量評価や機能解析におけるネスチンGFP-Tgマウスの有用性を明らかにした。(Y.Amoh et al.,Cancer Res 65,2337,2005;Cancer Res 65,5352,2005ほか) (4)これまで毛隆起に毛包幹細胞が分布していることは予測されていたが、毛包幹細胞の多分化能は明らかにされていなかった。我々は毛隆起に分布する毛包幹細胞の多分化能を明らかにするため、ネスチンーGFP-Tgマウスの髭毛包と背部皮膚の毛包からネスチン。GFPを発現する毛包幹細胞の分離を行い、神経幹細胞培養液で4週間培養した。ネスチンを発現する毛包幹細胞はコロニーを形成し、血清含有RPMI1640培養液に移すと神経細胞、グリア細胞、ケラチノサイト、平滑筋細胞、メラノサイトに分化した。ネスチンを発現する1個の細胞も分裂能を有し、神経幹細胞培養液内で再びコロニーを形成し、血清含有RPMI1640培養液に移すと多分化能を示した。これらの結果、我々は皮膚毛包の毛隆起に分布するネスチン陽性の毛包幹細胞が多分化能を持つことを初めて明らかにすることに成功した。(Y.Amoh et al.,PNAS 102,5530,2005)
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