2007 Fiscal Year Annual Research Report
マスト細胞機能を制御する転写調節因子の解析とアトピー性疾患への関わり
Project/Area Number |
18790810
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
中野 信浩 Juntendo University, 大学院・医学研究科, 助教 (30420839)
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Keywords | マスト細胞 / 転写調節因子 / アトピー性疾患 / 自然免疫 / Notch |
Research Abstract |
マスト細胞の未解明の機能を明らかにすることでアトピー性疾患の成立機序に関する新たな知見を得ることを目的に、マスト細胞機能を制御する転写調節因子に焦点を当てた解析を行った。 1.マスト細胞によるIL-12p40産生と自然免疫反応における重要性 IL-12はp40とp35のサブユニットからなるサイトカインであり、T細胞やNK細胞からのIFN-γ産生誘導およびThl分化誘導に重要である。主要な供給源としてマクロファージと樹状細胞が知られているが、本研究において、マウス骨髄由来培養マスト細胞(BMMC)がIFN-r/LPS刺激により転写調節因子ICSBPの発現を介してIL-12を産生することを明らかにした。また、マスト細胞欠損マウス、マスト細胞欠損マウスに野生型BMMCまたはp40欠損BMMCを移入したマウスを用いた急性腹膜炎モデルによる解析から、マスト細胞は細菌感染時における重要なIL-12供給源の一つであり、IFN-γ産生を誘導することで好中球を活性化させ、細菌の排除および宿主の生存に寄与していることを示した。 2.Notchシグナルがマスト細胞機能に与える影響 細胞膜貫通型レセプターNotchは、リガンドと結合すると細胞内ドメインが切り離され核に移行し転写活性化因子として働く。しかし、マスト細胞に関する知見はほとんどない。本研究においてマウスマスト細胞表面上にNotch1およびNotch2が発現していることを初めて明らかにした。また、NotchリガンドDelta-like1(Dll1)の刺激によりマスト細胞表面上へのMHCclassII分子および補助刺激分子OX40リガンド発現が誘導され、このマスト細胞はCD^4+T細胞を活性化させることを見いだした。マスト細胞はNotchシグナルにより抗原提示細胞機能を獲得することが示された。
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