2006 Fiscal Year Annual Research Report
ベンゾジアゼピン系薬物による放熱反応と高齢者の低体温に関する研究
Project/Area Number |
18790821
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
越前屋 勝 秋田大学, 医学部, 助手 (60420056)
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Keywords | ベンゾジアゼピン系薬物 / 放熱反応 / 高齢者 / 精神運動機能 / 眠気 / 低体温 |
Research Abstract |
研究対象は健常被験者6名(平均22.2歳)。実験の趣旨を説明し文書による同意を得た。実験は1週間以上の間隔をおき、cross-over配置したプラセボ(PCB)、ゾルピデム(ZPM)10mg、トリアゾラム(TZM)0.25mg、ニトラゼパム(NZP)10mg投与の4セッションからなる。各薬剤の投与量は文献的にほぼ等力価に設定した。各セッションに先立つ7日間にわたりアクチグラフを用いて算出した平均入眠時刻を0000hとした。各セッション前日の-0800hに実験室に入室し、-0400hから翌日1640hまで水平臥位を維持した。この間、0000hから0800hまでは消灯し睡眠をとらせた。1200hにPCB、ZPM、TZM、NZPのいずれかを経口投与した。1340hまでは覚醒を維持させ、1340hに消灯し入眠させた。1040hから1640hまで深部体温(直腸音)及び末梢皮膚温(両手背及び両足背)を連続測定した。1040hから1320hまで主観的眠気(Stanford Sleepiness Scale)、精神運動機能(Digit Symbol Substitution Test)を20分間隔で測定した。服薬前後6ポイント(20分間隔)において持続留置カテーテルを用いて血中濃度測定用採血を行った。 1040hから1340h(消灯前)までの体温変動において、PCB投与後と比較してNZP投与後に有意な深部体温低下が認められたが、ZPM及びTZM投与後は有意な変化は認められなかった。また、PCB投与後と比較してNZP及びTZM投与後に有意な末梢皮膚温上昇が認められたが、ZPM投与後は有意な変化は認められなかった。1040hから1320hまでにおいて、PCB投与後と比較して、ZPM、TZM、及びNZP投与後に有意な主観的眠気の増大と精神運動機能の低下が認められた。催眠・鎮静作用が同等であっても、体温調節作用には薬剤ごとに特性がある可能性が示唆された。
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