2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790833
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
伊賀 淳一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (70363140)
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Keywords | うつ病 / LIM(PDLIM5) / 遺伝子発現 / 白血球 / 関連解析 / paroxetine |
Research Abstract |
LIM(PDLIM5)はPKCεとN type Calcium Channelを介在蛋白であり、カルシウムシグナリングに関係している。中間産物であるLIM mRNA発現は、精神障害患者由来の培養Bリンパ芽球および死後脳で変化していることが報告されている。今回、我々は、末梢白血球でのLIM mRNA発現を測定することで、うつ病の生物学的指標になるのではないかと考えて検討した。DSM-IVで大うつ病と診断された患者(男性6人、女性14人)と性年齢のマッチした健常対照者を対象とした。研究対象者には徳島大学で承認されたインフォームドコンセントに基づき同意を得た。患者群では、治療前およびparoxetineにて治療4週後にSIGH-Dスコアによる臨床症状の評価を行い、薬物血中濃度測定と遺伝子発現を測定した。遺伝子関連解析は、大うつ病患者130人と性年齢の一致した健常対象130名で行った。患者群では4週間のparoxetine投与によりSIGH-Dスコアは約50%の改善を示した。患者群の治療前のLIM mRNA量は、健常対照者と比較して、有意に減少していた(P<0.01)。また、患者群では4週間のparoxetine投与によりLIM mRNA量は有意に増加し、ほぼ健常対象群と同程度となった(P<0.05)。LIM mRNA量とparoxetine血中濃度、SIGH-Dスコアに統計学的相関はみられなかった。LIM遺伝子多型関連解析の結果、遺伝子との関連は確認できなかった。大うつ病患者の末梢白血球LIM mRNA量の減少は、大うつ病の病態生理と関連があると考えられ、4週間paroxetine投与によりLIM mRNAが増加することは、慢性投与に対する適応変化と考えられた。今回の結果から、末梢血白血球発現LIM遺伝子量の測定が、うつ病の生物学的指標となることが示唆された。
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[Journal Article] Gene expression and association analysis of LIM (PDLIM5) in major depression2006
Author(s)
Iga J, Ueno S, Yamauchi K, Numata S, Motoki I, Tayoshi S, Kinouchi S, Ohta K, Song H, Morita K, Rokutan K, Tanabe H, Sano H, Sano A, Ohmori T
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Journal Title
Neuroscience Letters 400
Pages: 203-207