2008 Fiscal Year Annual Research Report
客観的指標に基づく効率的、個別的うつ病治療戦略の構築
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18790837
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
植木 裕司 Saga University, 医学部, 助教 (40336128)
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Keywords | MHPG / 抗うつ薬モニタリング / 客観的指標 |
Research Abstract |
(1) 中枢NA神経活性の末梢における指標としてNoradrenaline(NA)の最終代謝産物である 3-methoxy-4-hydroxyphenylglycol(MHPG)を精神症状評価の客観的な指標や抗うつ薬の決定に利用する。唾液中濃度とSSRIの治療反応性に関連が認められており、さらにデータの蓄積を行い、SNRIなどの他種の抗うつ薬や同じSSRIの中での相違などについても着目していく (2) 抗うつ薬の体内濃度のモニタリングを簡便で痛みを伴わず、患者様が自宅で単独でもサンプルを採取できる唾液より行い、日間、日内変動、有効投与量などの検討を行う。が二つの大きな柱となっている。 今年度の報告 : (1) うつ状態の症例の唾液中MHPG濃度を測定し、SSRIの治療反応性との関連を調べた。 症例を追加し結果を強化した。SSRIに良好な反応を示した大うつ病患者では唾液中MHPG濃度が高い傾向があり、治療とともに低下することが示唆され、採取に侵襲の少ない唾液中のMHPG濃度の測定により薬物選択の指標となる可能性が示唆された。他の薬剤への展開は一部に留まっており、有意なデータを提示するまでには至っていない。さらに進めていく予定である (2) 抗うつ薬の唾液によるモニタリングにおいて、測定可能な抗うつ薬の追加をすすめており、第一選択薬は網羅する予定である。また、同時にモニタリングの臨床応用もいくつか行い、唾液という簡便さをいかした結果が出ている
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