2006 Fiscal Year Annual Research Report
物体についての記憶処理における嗅周皮質内シグナル伝達機構の解明
Project/Area Number |
18790839
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
安部 博史 宮崎大学, 医学部, 助手 (20344848)
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Keywords | 弁別学習 / シグナル伝達 / CAMKII / 嗅周皮質 |
Research Abstract |
オペラント箱において,タッチパネルを使用した同時的複式物体弁別課題を習得させた.2対の視覚刺激についての弁別を,15秒の試行間間隔で1日1セッション,100試行遂行させた(術前訓練).学習基準は80%以上の正反応率が2セッション連続することとした.学習基準到達後,マイクロインジェクション法のためのガイドカニューレの嗅周皮質への埋め込み手術を行った.術後3日の回復期間を経たのち,再訓練を行い,術前と同じレベルで弁別が可能であることを確認した.再訓練において,術前と同じレベルの学習基準に到達しているラットに対して,薬物セッションを行った.薬物セッションは,5日間連続,1日1セッション行った.各セッションでは,これまでに習得した2対の視覚刺激についての弁別に対し,新たに1対の視覚刺激の弁別を加え,合計3対の弁別を合計150試行遂行させた.セッションの30分前に,ガイドカニューレに刺入したインジェクションカニューレより,両側の嗅周皮質に,高用量および低用量のKN-93,KN-92または溶媒のみを1分間かけて注入した.既に習得している2対についての遂行が障害されるか否か,および新しい刺激対についての習得が障害されるか否かについて,各群間の遂行成績をもとに吟味した.高用量のKN-93投与が,習得済みの弁別ではなく,新しい弁別のみを障害する可能性を示唆するデータが得られているが,今後,被験体数を増やして,検討を続ける必要がある.
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