2006 Fiscal Year Annual Research Report
成人の注意欠陥多動性障害とアスペルガー障害の行動特性チェックリストの作成
Project/Area Number |
18790843
|
Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
高梨 靖子 福島県立医科大学, 医学部, 研究員 (70398345)
|
Keywords | 注意欠陥多動性障害 / ADHD / アスペルガー障害 / 成人 / チェックリスト |
Research Abstract |
本研究では、成人の注意欠陥/多動性障害とアスペルガー障害をスクリーニング及び鑑別できるようなチェックリストの作成を目標としている。 注意欠陥/多動性障害やアスペルガー障害を含むいわゆる軽度発達障害は、成人期になっても持続して、気分障害や不安性障害、および、行為障害、人格障害などを合併しやすいことなどから、精神医学において重要な意味を持っている。これら軽度発達障害に関連して生じる生活の中での様々な問題や困難は、成長に伴ってその表現型を変えていく。加えて、成人期以降になると幼少期の客観的情報が得られにくくなるため診断と鑑別に困難を伴うことも多い。そのため、成人の注意欠陥/多動性障害とアスペルガー障害のスクリーニング及び鑑別を適切に行えるような診断ツールの一つとして活用できるようなチェックリストの開発に取り組んでいる。 初年度であった今年度は、注意欠陥/多動性障害とアスペルガー障害のそれぞれの認知行動特性を各種資料を基に検討してピックアップした。また、しばしばこれらの軽度発達障害と統合失調症との鑑別困難例や、加療経過の中で診断が再検討されて変更された症例の報告がなされ、その診断に困難をきたす症例があることが指摘されているため、統合失調症についても認知行動特性を同様にピックアップした。最終的に注意欠陥/多動性障害項目、アスペルガー障害項目、統合失調症項目の計73項目からなる患者群用の質問紙と、現在の精神状態や精神科関連医療機関への通院の有無などの質問項目を加えた健常対象群用の質問紙を作成した。現在、健常対象群1000人を目指してデータを回収中である。
|