2006 Fiscal Year Annual Research Report
育児期の女性における不安・抑うつに関する精神医学的研究
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18790846
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
崔 炯仁 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (90398397)
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Keywords | 産後うつ病 / 育児不安 / 虐待 / パーソナリティ障害 / 共依存 / アンケート |
Research Abstract |
育児を行なっている女性2群(児月齢3,4か月群、10ヶ月群)各1,000例に対し心理テストを中心としたアンケートによる調査をおこない、1年後に追跡調査を行うものである。 アンケート内容として、STAI(State-Trait Anxiety Inventory)、SDS(Zung Self-rating Depression Scale)、養育態度評価尺度(PBI)、共依存尺度、ボーダーライン・スケール、手島式育児不安尺度を採用し、これに女性の年齢や家族構成、育児環境、育児における完全主義傾向、虐待恐怖、養育体験に関する独自のアンケートを加えた。 作成したアンケート原案を平成18年8月23日当大学倫理委員会に提出、同年12月12日に承認された。それと並行して京都府、滋賀県の数箇所の自治体にアンケートの配布を依頼し、平成19年1月滋賀県大津市より乳児検診時における配布を承認され、同年2月から配布を開始した。さらに同年3月に京都府助産師会、京都府綾部市、同舞鶴市でも配布を開始しており、現在アンケートの回収、解析作業中である。同年8月までに目標の2000部の配布を終了する予定である。これらの解析により、2群における不安・抑うつ、育児ストレス状況の比較、育児期の不安・抑うつと養育体験、共依存傾向、自我脆弱性や分裂対象関係などのボーダーライン傾向の関連性を明らかにすることができ、さらに追跡調査を通じて虐待行動のリスクファクターを多面的に解明することが期待される。 この研究と関連して、外傷的養育体験により形成されるアダルトチルドレン・共依存について行なった研究結果を次項論文として発表した。
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