2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790849
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
赤羽 晃寿 帝京大学, 医学部, 助手 (30349253)
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Keywords | レトロポゾン / 統合失調症 / 新規挿入 / 候補遺伝子 |
Research Abstract |
統合失調症の分子遺伝学的研究は、メチル化などゲノムのエピジェネティックな変化(後成的変化)ないしゲノム不安定性に注目が集まるようになってきた。代表的なヒトレトロポゾンであるAluは、メチル化による抑制を受けながらもゲノム不安定性に深く関与していることから、われわれは統合失調症の病因として、Aluが深く関与しているとの仮説を提唱した。本研究では、統合失調症におけるレトロポゾンAluの病因的役割を明らかにし、患者ゲノム内において特異的にAluが挿入している領域を同定し、疾患への寄与の高い遺伝子を同定することを目的とした。本年度は、統合失調症トリオゲノムDNA(患者とその両親)を用いて(1)レトロポゾンAlu新規転移領域の検出と、(2)サザンハイブリダイゼーションによる遺伝子内新規挿入領域の探索を行った。レトロポゾンAlu特異的プライマーを用いてPCRによるAlu挿入近傍領域の増幅を行い、その増幅産物をテンプレートとし、胎児脳cDNAから増幅した各種統合失調症候補遺伝子をプローブに用いて、サザンハイブリダイゼーションを行った。その結果、微弱なシグナルとして患者特異的バンドが得られ、Alu挿入が近傍で起きていると思われる遺伝子を選抜した。選抜された遺伝子の配列を元に、プライマーを作成し、DNA Walking PCR法を行い、患者特異性すなわち新規変異であることの確認を行った。現在、その挿入変異領域の詳細な解析を行っている。遺伝子領域に分布しているのが特徴であるAluの特性を裏付ける結果となり、遺伝子スクリーニングの有用ツールとして、網羅的解析への応用性が示唆された。
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Research Products
(1 results)