2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790849
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
赤羽 晃寿 Teikyo University, 医学部, 助教 (30349253)
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Keywords | レトロポゾンAlu / ゲノム不安定性 / 統合失調症 / 新規挿入 / Alu特異的PCR / アレイCGH法 / TaqManプローブ法 / トリオ解析 |
Research Abstract |
統合失調症の分子遺伝学的研究は、メチル化などゲノムのエピジェネティックな変化(後成的変化)ないしゲノム不安定性に注目が集まるようになってきた。代表的なヒトレトロポゾンであるAluは、上述のエピジェネティックおよびジェネティックの両変異に深く関与していることから、われわれは統合調症の病因として、Aluが深く関与しているとの仮説を提唱した。本研究では、統合失調症トリオ(患者とその両親)のゲノムDNAを対象とし、レトロポゾンAluの病因的役割を明らかにし、患者ゲノム内において特異的にAluが挿入している領域を同定し、疾患への寄与の高い遺伝子を同定することを目的とした。前年度の研究で、Alu特異的PCR法とマイクロアレイ法を組み合わせた新規挿入スクリーニング法を用いて、統合失調症トリオAにおける患者特異的なAlu新規挿入を同定した。本年度は、さらに統合失調症トリオBを対象にAlu特異的PCR法-マイクロアレイ法によるスクリーニングを実施した。その結果、両親の2倍以上のシグナル強度した患者特異的な変動が16の遺伝子で確認された。さらに、トリオ間で比較したところ、11の遺伝子において、トリオ共通に患者特異的変異を起こしていることが明らかとなった。次に、これらの遺伝子についてTaqManプローブを設計し、8組の統合失調症トリオを用いたTaqMan法による変異解析を行った。その結果、小胞体ストレス関連遺伝子について、患者特異的な変動が5組のトリオで確認された。以上のことから、小胞体ストレス関連遺伝子における患者特異的なAluの動態と、統合失調症との関連が推察された。
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Research Products
(5 results)