2007 Fiscal Year Annual Research Report
概日リズム障害と気分障害を包括的にとらえたゲノム医学的研究
Project/Area Number |
18790855
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
北島 剛司 Fujita Health University, 医学部, 講師 (40360234)
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Keywords | 気分障害 / 概日リズム / 時計遺伝子 / 関連解析 |
Research Abstract |
当院を受診しDSM-IVで診断された147名の双極性障害患者と322名の大うつ病性障害患者、および360名の健常者を対象とし、倫理審査委員会の承認に基づいて説明と同意の上、遺伝子検体を得た。気分障害の治療薬であるリチウムあるいはバルプロ酸の時計遺伝子機構への作用点であることが判明している時計遺伝子Rev-erb α (NRD1)について、HapMapデータベースから日本人におけるLDブロックを推測し、これに基づいて頻度の高い一塩基多型(SNP)をhtSNPとして選定し(HAPLOVIEWを使用)、Taqman法によってgenotypingを施行した。得られた遺伝子型データを用いて双極性障害群あるいは大うつ病性障害群と健常者群との間でそれぞれアレルワイズとハプロタイプワイズ双方で関連解析を行った(解析ソフトウエアとしてSAS/Genetics、 COCAPHASEを使用した)。双極性障害群、大うつ病性障害群共に、健常者群との間に有意な関連は認められなかった。双極性障害をI型とII型にわけたサブグループ解析でも健常者との間に関連は認められなかった。性別で分けたサブグループ解析では双極性障害の女性についてhtSNPの一つが有意水準に達したが、Bonferroni補正にて有意差は消失し、有意な関連とは判断できなかった。なお、研究補助金はTaqman法とこれらの基礎となるPCR法を行うための試薬などの消耗品の購入に活用された。
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