2006 Fiscal Year Annual Research Report
心神喪失者等医療観察法入院治療施設における物質使用障害治療プログラムの研究
Project/Area Number |
18790862
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
津久江 亮太郎 国立精神・神経センター, 精神保健研究所司法精神医学研究部, 協力研究員 (90425695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 俊彦 国立精神・神経センター, 精神保健研究所司法精神医学研究部, 専門医療・社会復帰研究室長 (40326054)
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Keywords | 覚せい剤 / 依存症 / 触法精神障害者 / 重複障害 / 認知行動療法 / Matrix model |
Research Abstract |
本研究では、医療観察法の指定入院医療機関および指定通院医療機関における"Matrix model"を参考にしたSUD(Substance Use Disorder;物質使用障害)治療プログラムの開発を行った。 今年度は、海外にいて薬物依存治療で高い評価を得ているMatrix研究所に視察に行き、情報収集を行った。そこで得た情報をもとに、国立精神・神経センター武蔵病院医療観察法病棟における物質使用障害治療プログラムの見直しを行った。その結果、週1回1時間、認知行動療法的なグループワーク(Matrixのワークブックを翻訳したものを使用した)と教育的なレクチャーを組み合わせて定期的なプログラムと、月2回の外部自助グループのメンバーによるメッセージからなる治療プログラムが開発された。次年度以降、この治療プログラムの効果測定を行っていく予定である。 また、今年度は、指定通院医療機関における物質使用障害治療プログラムの開発も行った。わが国で数少ない薬物依存専門治療施設である、神奈川県立精神医療センターせりがや病院を調査フィールドとして、Matrix modelに準拠した8週間の統合的外来治療プログラム(SMARPP ; Serigaya Methamphetamine Relapse Prevention Program)を開発し、4名の覚せい剤依存患者に対して実施した。その結果、SMARPPは、歴史的対照群との比較において、プログラム実施期間中の治療脱落率がきわめて低く、SUDに対して有効であることが示唆された。しかしその一方で、統合的外来治療パッケージであるSMARPPの治療効果は、プログラム終了後にも長期にわたって持続するものではなかった。これらの問題点は、より長期間のプログラムに修正することによって改善できる可能性があると考えられた。
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Research Products
(5 results)