2008 Fiscal Year Annual Research Report
心神喪失者等医療観察法入院治療施設における物質使用障害治療プログラムの研究
Project/Area Number |
18790862
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
津久江 亮大郎 National Center of Neurology and Psychiatry, 精神保健研究所・司法精神医学研究部, 協力研究員 (90425695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 俊彦 国立精神・神経センター, 精神保健研究所・自殺予防総合対策センター/精神保障計画部・自殺実態分析室, 室長 (40326054)
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Keywords | 司法精神医療 / 物質使用障害 / 触法精神障害者 / 認知行動療法 / アルコール依存 / 薬物依存 / 重複障害 |
Research Abstract |
【目的】本研究の目的は、医療観察法指定入院医療機関における物質使用障害を併発する触法精神障害のための治療プログラムを開発し、その効果を測定することである。 【方法】最終年度である今年度は、二つの試みを実践した。第一に、昨年度作成した、認知行動療法的志向性を持つ物質使用障害治療プログラム・ワークブックを用いて、国立精神・神経センター病院医療観察法病棟にてプログラムの実践を行うとともに、他の指定入院医療機関への普及を目指して広報活動を行った。第二に、調査フィールドでは対象患者数が統計学的検討に耐える数とならなかったので、同ワークブックを簡略化した自習用ワークブックを作成し、これを用いて矯正施設(少年鑑別所)にて介入を行い、その効果を測定した。 【結果】物質使用障害を併発する矯正施設被収容者59名に対して、自習用ワークブックによる介入を行った結果、ワークブック終了後、薬物依存の誘惑に対する自己効力感の改善は不十分であったものの、薬物問題に対する認識の深化や援助必要性の自覚など、治療動機の高まりに関連する尺度の改善が認められた。ワークブックの難易度と有用性に関しても良好な結果が得られた。 【考察と結論】自習用ワークブックによる介入はその効果と実施可能性という点で意義あるものであり、触法精神障害に対する効果も十分に期待できると考えられた。
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Research Products
(4 results)