2006 Fiscal Year Annual Research Report
類似症例検索に基づくマンモグラフィ診断支援システムの開発と地域医療への展開
Project/Area Number |
18790884
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
中山 良平 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (20402688)
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Keywords | Computer-aided diagnosis / Mammography / Clustered microcalcification / Histological classification |
Research Abstract |
本研究の目的は,診断対象症例に関して,症例データベースの中から微小石灰化クラスタの特徴に基づく類似症例を検索し,医師に診断のための参考症例として提示する診断支援システムを開発することである.本年度は,同じ病理組織型に属する微小石灰化クラスタが類似した病変形態および成長速度を有することに着目したデータベースの構築ならびに類似症例検索アルゴリズムの開発を行った. (1)まず,3ヶ月間の経過観察の前後に93患者から得られた現在と過去の拡大マンモグラムにより症例データベースを構築した.これらには悪性の微小石灰化クラスタ55例(浸潤癌11例,come do型非浸潤癌19例,noncome do型非浸潤癌25例)と良性の微小石灰化クラスタ38例(乳腺症23例,線維腺腫15例)が含まれる. (2)次に,医師が悪性度の評価に用いている微小石灰化クラスタの6つの病変形態(大小不同,濃淡不揃い,形状不整,線状・分岐状の分布,乳頭方向への分布の広がり,石灰化の個数)を特徴量として定量化するアルゴリズムを確立した. (3)そして,現在と過去の拡大マンモグラムにおける,それぞれの微小石灰化クラスタから定量化された12特徴量により特徴量空間を構成した.この特徴量空間において類似する症例は互いに近くに存在すると仮定され,特徴量空間における診断対象症例の最近傍症例を類似症例として選択する類似症例検索アルゴリズムを開発した. (4)最後に,Leave-one-out testing methodに基づき類似症例検索アルゴリズムの性能評価を行った.ここでは,診断対象症例と類似症例の病理組織型が一致したとき正しく類似症例が検索されたと評価した.その結果,約90%の病理組織型が一致し,類似症例を的確に検索できる可能性が示唆された.
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