2006 Fiscal Year Annual Research Report
がんの転移能診断のための二官能性金属キレートMRI用高感度造影剤の開発
Project/Area Number |
18790885
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
天滿 敬 京都大学, 薬学研究科, 助手 (90378787)
|
Keywords | MRI / 造影剤 / がん / 分子イメージング / ガドリニウム |
Research Abstract |
本研究の目的は、ターゲット分子認識部位、高感度造影部位をそれぞれ独立に設計し、ターゲット分子認識部位を有する分子を投与して標的部位への特異的な集積を達成した後、高感度造影部位を有する分子を投与してインビボで標的分子に結合させ、それを高感度に検出するという二官能性化合物の設計概念を利用した分子モデリング手法により、がんの転移能診断を実現するMRI用高感度造影剤を開発することにある。平成18年度には以下の検討を行った。 1)ターゲット分子認識部位の作製・親和性評価 がんの悪性度との関連が多く報告されているインテグリンβ1、MT1-MMPに対する抗体を、20倍量のSulfo-NHS-LC-biotinと反応させることで、ビオチン化抗体を作製した。その後、フローサイトメトリー法によりターゲット分子認識力が約80%保持されていることを示した。 2)(Gd-DTPA)n-PAMAM-アビジンの合成・評価 表面アミノ基を256個有する第6世代PAMAMを、1)と同様の方法を用いてビオチン化した後、256-512倍量のp-SCN-Bz-DTPAとの反応を行ったところ、約180のDTPA分子の導入を確認できた。さらに、大過剰のGd(III)クエン酸との反応を行い、続いて2倍量のアビジンとの反応を行うことで、(Gd-DTPA)n-PAMAM-アビジンを得た。本化合物は、水溶液中、Gd-DTPAと比較して10分の1の濃度で同程度のMR信号を示した。 3)インビトロにおけるプレターゲティング法の有効性評価 インテグリンβ1発現細胞を用い、ビオチン化抗体の前処置後に(Gd-DTPA)n-PAMAM-アビジンを付加したところ、集積の増強が確認されたことから、プレターゲティング法の有効性が示された。以上の結果に示されるように、本研究はほぼ計画通り順調に進行している。今後、インビボでの検討を行っていく予定である。
|
Research Products
(2 results)