2006 Fiscal Year Annual Research Report
耳下腺のMRマイクロイメージング:3TMRIと表面コイルを用いた検討
Project/Area Number |
18790890
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
藤井 進也 鳥取大学, 医学部附属病院, 助手 (10379638)
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Keywords | MRI / 3T / 耳下腺 / 表面コイル / MRマイクロイメージング |
Research Abstract |
耳下腺のMRマイクロイメージング:3T MRIと表面コイルを用いた検討 3T MRIの大きな特徴として高いS/N比が挙げられ、理論上は1.5Tの約2倍の空間分解能を有する画像が得られる。しかしながら、耳下腺の高分解能画像を得る際には3T画像の特徴であるケミカルシフトアーチファクトが強く生じ、画像不良となることが多かった。この点に関しては、バンド幅を従来よりも約2倍に広げることで、良好な高分解能画像を得ることができた。以下に検討結果を要約する。 1.耳下腺内の顔面神経の描出:耳下腺腫瘍を有する30症例について検討した。顔面神経本幹は86.7%、Cervicofacial divisionは73.3%、Temporofacial divisionsは63.3%で描出された。3Tを用いた高分解能画像により耳下腺内の顔面神経の描出能は向上し、腫瘍と顔面神経との関係の把握が従来よりも容易になった。 2.耳下腺腫瘍の病理組織との対比:耳下腺腫瘍を有する30症例について検討した。病理組織マクロ像に匹敵する画像を得ることができ、詳細な対比をすることができた。被膜の描出は多形腺腫で全例、ワルチン腫瘍で87.5%、リンパ上皮性嚢胞では33.3%で確認できた。悪性腫瘍例では腺様嚢胞癌、唾液腺管癌、粘表皮癌で被膜が描出された。多形腺腫の被膜はワルチン腫瘍及び多型腺腫を除く耳下腺腫瘍よりも統計学的に有意に厚い傾向があった。MRIで描出される被膜の有無による良悪性の鑑別はできないが、多型腺腫が厚い被膜を有することは、多型腺腫の鑑別診断には有用と考えられた。 3.耳下腺管の描出:MR sialographyの描出能が改善する印象があるが、検討症例が少なく今後検討が必要である。
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