2007 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージの低酸素腫瘍移行性を利用した放射線増感剤・p53再活性化剤の開発
Project/Area Number |
18790892
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
宇都 義浩 The University of Tokushima, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (20304553)
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Keywords | 低酸素細胞放射線増感剤 / 糖ハイブリッド / マクロファージ活性化 |
Research Abstract |
本申請研究は、放射線及び温熱治療の効果増強を目指したマクロファージ結合型低酸素細胞放射線増感剤・p53再活性化剤の分子設計及び薬理活性の評価を目的とする.平成19年度の研究実施計画は、平成18年度に分子設計・合成した糖ハイブリッド低酸素細胞放射線増感剤のin vitro生物活性評価である.培養したマウス乳腺癌由来EMT6/KU細胞を密封した試験管に移し糖ハイブリッド低酸素細胞放射線増感剤を投与後、0%酸素ガスで1時間処理したものにガンマ線を照射し、コロニー形成法による生存率にて各薬剤の増感活性を評価した.その結果、テトラアセチルグルコース構造を有するTX-2244 (増感比2.30)やテトラアセチルマンノース構造を有するTX-2246 (増感比1.88)が高い放射線増感活性を示す一方、ヒドロキシル基がフリーの糖構造を有する薬剤のすべてがほとんど増感効果を示さなかった(増感比1.33〜1.43).この結果から、分子設計した糖ハイブリッド低酸素細胞放射線増感剤はin vitroにおいてEMT6/KU細胞に対して糖選択的に取り込まれていないことが示唆された.しかしながら、TX-2244は比較的水溶性が高い(水-オクタノール分配係数0.105)にも関わらずエタニダゾールやTX-1877よりも増感活性を示したことは大変興味深く今後作用機序の解明に取組む予定である.マクロファージ活性化能については、マウス腹腔から単離したマクロファージの羊赤血球細胞貪食活性試験の結果から、N-アセチルガラクトサミン構造を有するTX-2068のみ1mMと高濃度ながらもポジティブコントロール化合物であるLPSと同等の活性化能を示した.来年度は、これらの候補化合物の発育鶏卵を用いたin vivo生物活性評価及びリード化合物の創製を目的とする予定である.
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Research Products
(6 results)