2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790898
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
古小路 英二 宮崎大学, 医学部, 助手 (00423723)
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Keywords | 深部静脈血栓症 / 遺伝子 / t-PA / Ecto-NTPDase |
Research Abstract |
<研究目的> 今回の研究では、遺伝子導入により下肢静脈壁において抗血栓因子を持続的に高発現させ、局所での血栓形成を抑制することを検討する。血管壁への遺伝子導入では、局所においてのみ抗血栓効果を有し、その効果は1〜2週間見られるものと予想される。したがって、必要な場所(下肢静脈)、および必要な時(周術期)でのみ効果を発する、非常に有効な手段と考えられる。 <研究内容と結果> 1)遺伝子組換えベクターの作製 t-PAおよびEcto-NTPDaseの発現plasmidおよび組換えアデノウイルスを作製した。このPlasmidにはサイトメガロウイルスの初期プロモーターが組み込まれており、その末梢側に目的蛋白のcDNAを入れ込むことにより、動物細胞内にて蛋白を強制発現させることが可能となる。組換えアデノウイルスは、アデノウイルス遺伝子のEl、E3領域を欠落させ、自己増殖能を欠落させたアデノウイルスに対し、上記の発現plasmidから切り出した遺伝子を入れ込むことにより作製した。 2)培養細胞への導入実験 作製した遺伝子組換えベクターによる遺伝子導入効率を培養細胞にて検討した。培養細胞にはアフリカミドリサル腎臓由来のCOS7およびヒト血管内皮細胞を使用した。これらの細胞に対し、発現plasmidおよび組換えアデノウイルスにて遺伝子を導入した結果、持続的に目的蛋白が発現することを確認し、細胞膜および培養液中での酵素活性の上昇を認めた。 3)動物実験モデルの作製、遺伝子導入、評価 SDラット(♂、生後8週)の腸骨静脈を露出・結紮した後、下肢静脈末梢より組換えアデノウイルスベクターを注入し、遺伝子導入を行った。遺伝子導入により目的蛋白の持続的発現を確認した。今後この遺伝子導入血管における抗血栓効果を検討する予定である。
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