2006 Fiscal Year Annual Research Report
新しい拡散テンソルMRIパルスシーケンスの開発-動物実験用MRI装置による開発
Project/Area Number |
18790902
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
沼野 智一 首都大学東京, 健康福祉学部・放射線学科, 研究員 (10399511)
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Keywords | Magnetic resonance imaging : MRI / Diffusion weighted imaging : DWI / Diffusion Tensor imaging : DTI / Three-dimensional imaging / MP-RAGE法 / Turbo-FLASH法 / Three-dimensional DWI / Tractography |
Research Abstract |
近年,拡散強調核磁気共鳴画像法(DWI)を利用した拡散異方性を画像化する拡散テンソル画像法(DTI)やDTIを利用して脳白質にある神経線維を画像化するトラクトグラフィーが盛んに行われるようになってきた.現在利用されているDWIはエコープラナーイメージング(EPI)法を利用したマルチスライス二次元イメージングがその大部分を占めており,三次元拡散強調画像データはマルチスライスで得られた二次元データをスタックすることで得ている.しかしながら二次元イメージングには,信号雑音比(SNR)の低下や不完全なスライス選択励起による干渉を抑えるために数ミリのスライス厚とスライスギャップが必要となる.これに対して三次元イメージングはひとつのスライスではなく撮影領域全体(スラブ)から信号を受信するので本質的にSNRが高く,スライス選択励起による干渉も起こらない.よって,三次元拡散強調イメージングは二次元拡散強調イメージングよりも大きさの小さい等方性ボクセルでの撮影を可能とする,そこで今回研究では,既に開発した高速三次元拡散強調MRI(3D-DWI)シーケンスを元に,DTIが可能な新しい高速三次元拡散テンソルMRIシーケンスを開発することを目的とした. 拡散テンソルイメージングを可能にする為には拡散検出傾斜磁場(Motion Probing Gradient : MPG)を任意のX,Y,Z軸に印加する必要がある.本年度の研究では3D-DWIシーケンスのMPG印加軸を自由に設定できるように改良した.セロリを対象にしたファントム実験の結果から本手法によって三次元拡散テンソル画像が得られることを確認した.本手法は臨床現場で広く用いられているEPI法による拡散テンソルイメージングに比べて,画像の歪みやアーチファクトの少ない画像を提供することができた.
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