2006 Fiscal Year Annual Research Report
定位放射線治療後肺障害の標的体積およびエネルギー依存性の動物実験モデルによる評価
Project/Area Number |
18790911
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
川瀬 貴嗣 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80306795)
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Keywords | 定位放射線治療 / 肺 / 放射線障害 / 動物実験 / X線エネルギー |
Research Abstract |
本邦では定位放射線治療の適応は頭蓋内病変から体幹部病変、特に肺腫瘍に対して拡大し、臨床応用が盛んとなりつつある。放射線治療に特異的な肺障害の詳細、特に標的体積や照射X線エネルギーの差異による肺障害の程度、特徴については、その臨床像は明らかにされつつあるが組織病理学的・生理学的なデータは乏しい。本研究ではこの点を解明すべく、正常ウサギ肺をモデルとして実験的定位放射線治療を異なる標的体積・照射X線エネルギーを用いて行い、その後の生物学的効果を評価することを目的としている。 本年度には、本研究のデザインを明確化し、実験手法を確立することを目標とすることを主眼とした研究を施行した。キロボルトX線照射装置を用いた集光照射機器により、正常ウサギ肺に対して照射を行い、肺機能評価、画像診断的手法による形態学的精査を継続して行った。以前本研究に関連して当教室にて行った正常ウサギ肺に対するX線ライナックを用いた定位放射線照射を比較対照とする目的があった。結果として、正常ウサギ肺にライナック照射により生じたものと類似した生体反応を惹起させることができ、組織病理学的にも検証できた。これにより、本機器がウサギ肺に対していかなる生体反応を生じることが可能であるかを解明する端緒となる結果を得た。次期にはこの結果をふまえ、同機器による照射の安全性を確認する。また、照射・吸収線量を変化させて同様の照射を行い、照射により生じる変化の線量依存性を解明する。
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