2007 Fiscal Year Annual Research Report
1回大線量照射の放射線生物学的・分子生物学的側面からの基礎的検討
Project/Area Number |
18790917
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
中村 香織 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 助教 (40339023)
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Keywords | 1回大線量照射 / LQモデル / スイッチ機能 |
Research Abstract |
通常臨床で使用している通常分割照射法で汎用される2Gy前後の照射線量と比較し,定位的放射線手術や定位的放射線治療といった1回大線量照射法で用いる8〜15Gy前後の照射線量における生物学的優位性はどのような点にあるのかを明らかにすることを目的としている. 今年度は,昨年度に引き続いて,数種の細胞株(A431(ヒト外陰扁平上皮癌細胞株)ならびにA549(ヒト肺腺癌細胞株)を中心に,細胞起源は同一でp53statusの異なるラット卵黄嚢腫瘍細胞由来のNMT-1(wild-type p53細胞株)とNMT-1R(mutant-type p53細胞株),ある種の薬剤にてp53 independentにアポトーシスを誘導することが知られているU937(ヒトリンパ腫細胞株)など)を用いて,高線量領域での細胞生存率の評価法を試行錯誤しながら検討した. コロニー形成法では高線量領域でのコロニー形成率が低く,再実験毎に形成率のバラツキがとても大きく,安定した生残率曲線を得ることができなかった.そのため,wild-type p53を有するNMT-1,p53機能を欠失したU937でスフェロイド法による細胞生残率を検討したが,やはり,wild-type p53を有するNMT-1は4Gy程度,p53機能を欠失したU937では6Gy程度以降から細胞生残率の不安定さが大きく,安定した生残率曲線を得ることができなかった.そのため,1Gy刻みで作成していた生残率曲線を0.5Gy刻み,0.2Gy刻みで再実験を繰り返し,検討を継続中である.また,MTT assayでも検討を続行している.
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