2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790921
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
小島 博之 Kansai Medical University, 医学部, 助教 (30368229)
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Keywords | 肺瘻修復剤 / 生体吸収性高分子化合物 |
Research Abstract |
実験動物肺での被覆性能評価:ブタに全身麻酔下で気管内挿管を行い、換気を停止しエックス線透視下に、肺表面を20G穿刺針にて穿刺し肺瘻を作成した。一方、同様の手技を用いて電気メスで焼灼による肺瘻(約1x1cm)を作成した。選定された組成のPVA試料2種類を注入し肺換気を再開し、換気に伴う肺瘻、出血の防止効果を肉眼的に観察した。20G穿刺針にて穿刺し肺瘻に対してはアセトアセチル化度5.5%、及び8.9%の試料共に20cmH_20の陽圧付加に対しても空気漏れや出血を生じなかったが、電気メスで焼灼して作製した肺瘻に対しては空気漏れや出血の防止効果は認められず、肺瘻修復効果は期待しえなかった。 生体吸収性、抗原性の検討:生体吸収性については、カテーテルから選択的に肝臓に注入したPVA試料の塞栓効果および溶解性についてエックス線学的に評価を行った。さらに、腎臓に注入したPVA試料の注入後1ヶ月の摘出腎臓をホルマリン固定して組織学的検索を行なった。PVAはホルムアルデヒドと反応し不溶性のホルマール化PVAに変化すると考えられたが、臓器には残存PVAは確認されなかった。塞栓した部位には軽度の炎症細胞浸潤が残存しており一定期間のPVA粒子の存在が示唆された。また、穿刺針を通じてブタ肺に注入したPVA試料注入後1か月のエックス線撮影を行い、肺実質に対する局所の炎症性変化について評価した。1ヶ月の胸部エックス線像において明らかな肺炎像を示唆する肺野の濃度上昇は認められなかった。
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