2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790925
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
菊池 達矢 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 研究員 (90392224)
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Keywords | 脳 / 腫瘍 / アデノシン / ヌクレイオシド / PET |
Research Abstract |
本研究の目的は、悪性脳腫瘍の正常組織との境界を、明瞭に区別することを可能とする放射性薬剤の開発である。腫瘍細胞増殖の最も盛んな正常脳組織境界に特異的に集積する放射性薬剤の開発を目指し、増殖に必要な核酸合成および細胞活動との両面で使用されるアデノシンに着目し、アデノシン誘導体である^<11>C-6-メチルメルカプトプリンリボース(^<11>C-MMPR)を考案、基礎検討を行なった。以前の研究より、^<11>C-MMPRは、^<11>C-ヨウ化メチルと6-メルカプトプリンリボースとをDMF中90℃で3分間反応させることにより容易に標識合成可能であったが、基礎的研究で用いた^<14>C標識体も同様の反応により得ることができた。アデノシンは、血液脳関門および細胞膜をヌクレオシド輸送系により通過し、低濃度では主としてアデノシンキナーゼによりリン酸化を受け、核酸合成や細胞活動の原料となるAMPを生成し組織内に保持される。そこで、^<14>C-MMPRについてアデノシンキナーゼとの反応性をインビトロで検討した結果、^<14>C-MMPRは容易にリン酸化を受けることが確認された。細胞を用いた検討では、^<14>C-MMPRの細胞内への取り込みはヌクレオシドトランスポータによるものと考えられ、細胞内に移行したのちリン酸化されることが示された。このことはMMPRの薬物動態の本研究中に報告された結果と合致した(Fotoohi AK et al. Bfoehemieal Parmacology 2006,72,816-823)。
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