2006 Fiscal Year Annual Research Report
膵消化管内分泌腫瘍の病態解析と新しい治療戦略の基礎研究
Project/Area Number |
18790933
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川村 純一郎 京都大学, 医学研究科, 助手 (90422948)
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Keywords | 癌 / 遺伝子 / 膵消化管内分泌腫瘍 / カストリノーマ / マイクロアレイ |
Research Abstract |
消化管内分泌腫瘍における腫瘍幹細胞の同定を目的に、膵・消化管内分泌腫瘍におけるPDX-1, somatostatin, serotonin, gastrin, Ki67の発現を免疫染色、蛍光多重染色により検討した結果、より分化度の低い多分化能を有した腫瘍幹細胞を含む細胞集団を同定することができた。しかしそれらの細胞を分離することは困難であり、さらなる検討が必要と考えられた。 また消化管内分泌腫瘍の腫瘍化にMEN-1遺伝子の関与を考え、IFNγで誘導される温度感受性SV40T抗原変異株のtransgenic mouseより分離樹立した不死化膵上皮細胞株(IMmortalized Pancreatic Epithelial cell line, IMPE)にshRNA発現ベクターをトランスフェクションし、MEN-1ノックダウン株の作成を試み、これに成功した。Gastrin、Insulin, glucagons、E-cadherin、b-catenin, chromograninA, CDX2の発現の検討をウェスタンブロットおよび蛍光染色にておこなったが、野性株との間に明らかな変化を認めなかった。また、細胞増殖についても野性株と大きな差異を認めず、MEN-1以外の別の分子の変異が必要であるものと考えられた。 ヒト膵・消化管内分泌腫瘍の長期培養株の樹立については昨年度より引き続き標本からの培養を試みているが、長期培養株の樹立に至っていない。長期培養株の樹立の成否は、個々の腫瘍の悪性度に大きく依存しているものと思われた。
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