2006 Fiscal Year Annual Research Report
再生医学(血管前駆細胞)と免疫隔離を応用した異種(ブタ)膵島移植の検討
Project/Area Number |
18790934
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
文元 雄一 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (20397748)
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Keywords | 免疫隔離 / バイオ人工膵島 / 血管前駆細胞 / 血管新生 / 皮下移植 |
Research Abstract |
(再生医学的手法による皮下血管新生) (a)正常皮下組織 (b)ヒト末梢血より分離した血管前駆細胞(EPC)をヌードラットの皮下に移植する。 (c)血管新生誘導因子であるbFGF(20μg)を含有した徐放デバイスをヌードラットの皮下に留置する。 (d)FGFの徐放デバイスとEPCを同時にヌードラットの皮下に留置する。 それぞれ移植後7〜10日間待って、皮下組織を摘出。(a)(b)(c)(d)を肉眼的所見・HE染色・組織ヘモグロビン量にて解析・比較検討したところ、bFGFによる著明な血管新生は認められたが、EPCによる血管新生の差は確認できなかった。しかし、免疫染色にてヒトEPCにて構築された血管は確認できた。今後、EPCの投与量ならびに投与時期のさらなる検討を要する。 (バイオ人工膵島) polyvinylalchoolを免疫隔離素材としたマクロ型免疫隔離デバイス(20×20×1mm ; bag type)にラット膵島を封入したバイオ人工膵島を37℃・5% CO2にて4〜7日間培養後もラット膵島のviabilityが確認できた。 (皮下移植) STZの静脈内投与にて高血糖化したルイスラットの皮下にbFGFを含有した徐放デバイス留置による血管新生処置を施行した後、分離したルイスラットの膵島(3500〜5000IEQ)を移植(同種同系移植)したところ、4週間以上にわたって血糖の正常化がみられた。移植2週間後のグルコース負荷試験でも血糖反応が正常化した。移植4週間目に摘出したグラフトをHE染色ならびに免疫染色したところviabilityを認めた。以上より皮下が移植部位として十分なりうることが証明できた。
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