2006 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞癌の発癌関連タンパク質の検討と血清自己抗体による予後診断システムの開発
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18790961
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
高島 元成 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40420525)
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Keywords | 肝細胞癌 / プロテオミクス / 自己抗体 |
Research Abstract |
肝細胞癌患者の組織標本及び血清に対して下記の検討を行った。 1.二次元電気泳動と質量分析による蛋白同定 等電点電気泳動装置と水平式SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)装置を用いた二次元電気泳動を行い、ゲル中のタンパク質スポットを二次元画像解析ソフトで解析して癌部と非癌部の組織で異なる染色強度を示すタンパク質スポットを探索した。その後、質量分析装置LC/MSDTrap XCTを用いたpeptide mass fingerprinting(PMF)分析によってタンパク質の同定を行った。 その結果、癌組織においてheat shock protein 70(HSP70)familyをはじめとする10種類の蛋白質の発現が亢進しており、8種類の蛋白質の発現が低下していることが確認された。HSP70 familyの4種類の蛋白質は同時に相関して増加していることが判明した。 また、解糖系に関与するalphna enolaseが低分化型の組織で有意に増加しており、glutamine synthetaseが高分化型の組織で増加傾向にあることが確認された。 2.イムノブロットによる血中自己抗体の検出と解析 二次元電気泳動と質量分析による解析にて、癌組織において有意に発現が増強するタンパク質を検出し、それに対する自己抗体が血中に存在するかを、イムノブロット法によって調べた。その結果、患者血清中には健常者の血清と比較して3種類の自己抗体が増加していることが確認された。
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Research Products
(1 results)