2006 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞癌における分化規定遺伝子の解析と治療への応用
Project/Area Number |
18790966
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization National Kyushu Cancer Center |
Principal Investigator |
播本 憲史 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究部), 医師 (00419582)
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Keywords | 肝細胞癌 / 分化 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
今年度は研究計画書の如く、nodule in noduleの形態をとる肝細胞癌の症例をピックアップし、肝切除直後にサンプリングを行った。(症例は80歳女性、本人家族に、文書にて同意を得た)サンプリングは非癌部、高〜中分化、低分化の3箇所から行った。各々よりtotalRNAを抽出し、吸光度を測定し、純度の高いRNAであることを確認した後、micro arrayを行った。totalRNA3μgを用いて、ChipはGeneChip Expression Array (Takara,遺伝子総数47000個)を使用した。 A群(高分化と低分化の比較)、B群(高分化と非癌部の比較)、C群(低分化と非癌部の比較)にわけ、2倍以上発現が増強してある遺伝子はそれぞれ(A,B,C群)86個、1042個、1210個であった。逆に2倍以上発現が現弱してある遺伝子はそれぞれ(A,B,C群)32個、1432個、1326個であった。特にB,C群で8倍以上発現が増強している遺伝子は31個、31個、8倍以上発現が現弱している遺伝子は83個、33個であった。たとえば、高分化から低分化の肝細胞癌に変化する中で、FGFR2,IGF2、H19といった遺伝子が4倍以上発現が増加しており、これらは肝臓の発生、増殖に関与するといわれており、有力な候補と思われる。 今後はつりあがった遺伝子の中から、分化にかかわるものをさらにピックアップし臨床検体で発現の確認をRNAレベルと蛋白レベルで行う予定である。
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