2006 Fiscal Year Annual Research Report
食道癌における高発現遺伝子抑制:創薬ターゲット遺伝子の同定
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18790970
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
石黒 秀行 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助手 (10363920)
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Keywords | マイクロアレイ / 食道癌 / caveolin2 |
Research Abstract |
1.マイクロアレイを用いた癌細胞株での高発現遺伝子リストの作製 我々は今までに、食道癌細胞株(TEシリーズ13種類、KYSEシリーズ2種類)および食道正常細胞株(HET1A)を用いてマイクロアレイを行って、癌細胞株で共通して発現が上昇している約150遺伝子リストを作製した。これらの遺伝子には既知遺伝子のほか未知遺伝子(新規遺伝子)も40ほど含まれていた。まず解析に順序をつけるために、癌増殖機能、アポトーシス阻害活性、などの癌遺伝子機能をもつ遺伝子が優先することとした。 2.LightCyclerを用いた標的遺伝子の発現定量 LightCyclerは、定量RTPCRの装置であり、1種の遺伝子発現をマイクロアレイより安価に定量でき、マイクロアレイよりは精度が高い。マイクロアレイのデータは、細胞株のデータでもあり、またやや精度にかける面もみられることから、実際の臨床応用をめざすために、臨床検体において定量RTPCRを行い、その発現に関して癌部で発現が有意に上昇していることを確認した。まず遺伝子のうちCaveolin2遺伝子を選択し、細胞株での再現性を確認したところ、正常細胞株HET1Aと比較して、すべての食道癌癌細胞株での発現上昇が認められた。次に臨床検体にて発現を定量したところ、有意差をもって非癌部より癌部での発現上昇が認められた。臨床病理学的因子との解析では、特に有意差をもつパラメーターは認めなかった。現在、抗体を入手し、免疫染色にての解析を行う予定としている。 またNothernについては、すべての遺伝子について解析を行うのが困難であったため、まず正常組織の6種類程度の組み合わせで、RTPCRを行い、安価に正常組織での発現を確認している。現在のところ、正常組織で発現を認めない癌特異的に発現上昇する遺伝子は認めていない。
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