2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790979
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山崎 慎太郎 日本大学, 医学部, 助手 (20409014)
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Keywords | 幹細胞 / 肝再生 / 肝機能 / 細胞治療 |
Research Abstract |
各種の多能性幹細胞は基礎研究が行われているが、臨床再生医学に用いることができる最も現実的な細胞は骨髄間質細胞である。これは腫瘍化しないこと、倫理的な問題がない事が重要なファクターである。腫瘍化した場合、分化効率が落ち、移植した場合は腫瘍となり宿主に不都合となる。更に、骨髄間質細胞は、骨髄中に存在し骨髄穿刺で容易に採取でき、採取が容易で培養下にて旺盛に分化する幹細胞の分画を骨髄中で同定しこれらが効率的に増加するような状況がどのような状態で起こるのかを検索する。 研究の位置付けは(1)障害臓器からの骨髄へのシグナルの伝達の解析、(2)骨髄中の多能性幹細胞の分画の同定、(3)骨髄から障害組織へ遊走、分化の機構の解明を行なうことにより、骨髄細胞を利用した「細胞治療」はより臨床的な段階を迎えることが出来る。In vivoでは肝臓を初め、内胚葉組織へ分化する分画を集積し、純化した多能性幹細胞を同定し増加させることで「細胞治療」のCell sourceを確立させることが可能となるであろう。更に、骨髄は血流に乗り、どこの臓器にも流れて行く事を利用し骨髄細胞を正常な遺伝子を運ぶvectorとして利用することで、肝機能障害患者への治療のみならず、遺伝性肝疾患や酵素欠損症において自己骨髄細胞を拒絶の無いvectorとして組織へ導入する事ができるかを検討するための基礎を開発する。この研究が発展すれば、血液疾患が骨髄移植により予後不良な疾患を劇的に克服した様に重度障害臓器の再生や難治性の代謝性疾患にとってEpoch Makingな画期的な治療法の開発に繋がるであろう。 現在課題の(1)と、(2)については基礎実験が終了し、今年度の業績としてJournal of Hepatologyへ発表掲載された。
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