2007 Fiscal Year Annual Research Report
生理学的多変量データの取得と外科的処置が可能な胸腔内統合監視システムの構築
Project/Area Number |
18790984
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
酒井 光昭 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (60375508)
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Keywords | 肺 / 空気漏れ量 / モニタリング |
Research Abstract |
本研究は研究全体構想のうち「肺空気漏れ量を定量化するための非侵襲的連続モニタリングシステムの開発」を課題としている.研究は3年計画で,昨年度は,研究計画申請書に示した実験群のうち「1.電磁振動式エアーポンプを模擬肺痩とした医工学的実験を完了した. 静電容量法による計測の正確性,ユニット個体別・測定環壌別の誤差による再現性を明らかにしたが,正確性に欠ける測定帯があったため,本年度に入ってから光学式の新たなシステムを開発し,再度,医工学的実験を行った.(1)光学式測定値と気泡(肺痩)の間隔は相関しており,連続測定が可能な技術と考えられた.(2)送気ポンプの流量別測定誤差は,低流量域でも高流量域でも約5%で静電容量法より大幅に正確となった.(3)ドレナージユニットの個体差は認めず,持続吸引時の誤差も認めなかった. 研究計画申請書に示した実験群のうち「II.ヒツジ肺の肺痩モデルを用いた生体における本技術の正確性と耐用性の検証」を行った.ヒツジに開胸手術を施し,胸膜欠損モデル(肺痩モデル)を作成,本年度に開発した光学式測定法で肺痩の定量モニタリングを実施し,呼吸運動や咳漱,体動,ドレーンの位置を考慮した測定値の正確性の検証を行った.また,自然治癒症例の病態生理学的解析を行った. 現在までに(1)呼吸運動の不均整性への対応能には問題ないこと,(2)肺痩の解剖学的な位置・大きさと肺空気漏れ量との関係は明らかでないこと,(3)肺痩自然治癒例の過程には今まで指摘されたことのない現象が存在する可能性があることなどが判明した,平成20年度はさらに頭数を増やしていく予定である.同時に,今後は学内倫理委員会を通して,研究計画申請書に示した実験群の中の「III.患者を対象とした臨床試験」の準備を行う予定である.
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