2006 Fiscal Year Annual Research Report
胸膜悪性中皮腫に対する新規治療法ー発光ダイオードによる光線力学的治療の開発
Project/Area Number |
18791002
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
臼田 実男 東京医科大学, 医学部, 助手 (60338803)
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Keywords | 光線力学的治療(PDT) / レーザー / 発光ダイオード(LED) / 悪性胸膜中皮種 / レザフィリン |
Research Abstract |
1.ヒト悪性胸膜中皮腫細胞に対して腫瘍親和性光感受性物質レザフィリンと664nm付近の赤色発光ダイオード(LED)を使用して光線力学的治療(PDT)を施行した。ヒト悪性胸膜中種は、上皮型、肉腫型、二相型と組織学的に分類され、とくに肉腫型のものは種々の薬剤等に対して耐性を示し難治性である。LEDによるPDTでは、感受性試験の結果、上皮型、肉腫型に関係なくヒト悪性胸膜中皮腫細胞に対して良好な抗腫瘍効果を有し、in vitroではLEDはレーザーと同等の治療成績が得られた。 2.5週齢のヌードマウスの大腿部にヒト悪性胸膜中皮腫細胞MSTO-211Hを皮下に移植し、担癌マウスを作成した。レザフィリン10mg/kgを投与後、100Jlcm^2のレーザー照射を施行したところ、7日後に腫瘍は消失し、CRを得ることができた。悪性胸膜中皮種に対してPDTは、有効な治療法であることが示唆された。同様に、LEDを腫瘍から2mmはなして固定し、LEDによるPDTを施行した。照射する総エネルギーを一定にし、出力25mWで1時間、100mWで17分と2つの照射条件で腫瘍壊死範囲に差異をみとめるか否やか検討した。25mW、1時間照射の方がLEDによる形成される壊死範囲が大きく、熱発生などもみとめず、治療効果が高いことが証明された。すなわち、LEDによる悪性胸膜中皮腫に対するPDTは、抗腫瘍効果を有し、特に低出力で長時間照射することの有効性が示唆された。今後は、LEDによる長時間照射に際に、照射休止時間をとることの有用性、壊死範囲について検討する。
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Research Products
(3 results)