2007 Fiscal Year Annual Research Report
膠芽腫(グリオブラストーマ)の腫瘍幹細胞に関する研究
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18791005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金森 政之 Tohoku University, 病院, 助教 (60420022)
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Keywords | oligodendroglioma / dissemination / prognostic factor |
Research Abstract |
研究の目的)乏突起膠腫の検体を用いて腫瘍幹細胞の分布、増殖、浸潤能について解析を行い臨床情報との相関を検討した。研究実績)本検討では組織学的に乏突起膠腫群と診断された連続56例を対象とした。組織診断は乏突起膠腫13例、退形成乏突起膠腫26例、乏突起星細胞腫5例、退形成乏突起星細胞腫12例であった。生検術、摘出術後、化学療法を42例(75%)および局所照射による放射線治療を49例(88%)に施行し、MRIによる経過観察を行った。WHO分類による悪性度、免疫組織化学的検討により腫瘍幹細胞のマーカーの1つであるNestinの他、p53、MGMT、Ki-67陽性率、CD44の発現パターン、Fluorescent in situ hybridization(FlSH)法による第1及び19染色体欠失の有無について解析し、全生存期間、無再発期間、無播種生存期間との相関を検討した。再発形式は11例が局所再発、9例が播種再発であった。播種再発では全例が死亡し再発後の生存期間は局所再発と比較して統計学的に有意に短かった。解析した因子の中で単変量解析では第1及び19染色体欠失、p53陽性率10%以下、Ki-67陽性率25%以下、Nestinの低発現が全生存、無再発生存、無播種生存において予後良好因子と判定された。多変量解析では生存においては第1及び19染色体欠失、p53陽性率10%以下、播種、局所再発をふくむすべての再発においてはp53陽性率10%以下、Ki-67陽性率25%以下、Nestinの低発現、播種再発においてはKi-67陽性率25%以下、Nestinの低発現が独立した予後良好因子と判定された。以上より腫瘍幹細胞のマーカーの1つであるNestinがびまん性に発現し、また増殖能が高い腫瘍で予後不良な播種再発はの危険性が高いことが示唆された。このことは術後の放射線化学療法の計画に有用な情報を与えるものと考えられる。
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