2006 Fiscal Year Annual Research Report
ドキソルビシンリポソームCED・テモゾロマイド全身投与併用による膠芽腫新規治療法
Project/Area Number |
18791006
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山下 洋二 東北大学, 病院, 助手 (30420045)
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Keywords | 脳腫瘍学 / 化学療法 |
Research Abstract |
平成18年度は以下項目につき解析を行った。 1)神経膠腫樹立細胞株におけるDoxil/temozolomide療法の抗腫瘍効果および相乗効果の解析 2)正常ラットにおけるDoxil/temozolomide療法の毒性の評価 3)ラット脳腫瘍移植モデルにおけるDoxilの薬剤分布の評価 4)ラット脳腫瘍移植モデルにおけるDoxil/temozolomide療法の治療効果を解析 1)9L神経膠腫樹立細胞株を用い、Berenbaumらが報告したisobologram解析にて両薬剤の相乗効果が確認された。 2)Suprague-Dawleyラットを使用し、コントロール群(PBSのCEDによる脳内局所投与)、Doxil投与群(CEDによる脳内局所投与)、temozolomide投与群(腹腔内投与)、およびDoxil/temozolomide併用群の計4群で脳毒性の組織学的解析したところ、両薬剤の併用による著明な毒性の増強は認められなかった。 3)Doxilの蛍光色素を利用し薬剤分布の組織学的解析を行ったところ、腫瘍を取り囲むような広範な薬剤分布が得られたが、腫瘍内における薬剤分布は不均一で、不均一な部分に対する全身の薬剤投与併用の有用性が示唆された。 4)9Lラット脳腫瘍モデルを使用し、コントロール群、Doxil投与群、temozolomide投与群、およびDoxil/temozolomide併用群の計4群で生存解析を行ったところ、併用群で有意な生存率の上昇が認められた。 以上Doxil/temozolomide療法の安全性と有用性が示唆された。同様の実験をDoxilに代わってACNUについても行い、後記する論文にて報告した。
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Research Products
(1 results)