2006 Fiscal Year Annual Research Report
Hsp70の神経保護作用 -Bax translocationの抑制-
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18791010
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
土谷 大輔 山形大学, 医学部, 助手 (60312724)
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Keywords | Hsp70 / 脳虚血 / アポトーシス |
Research Abstract |
これまで我々はheat shock protein(HSP)70 overexpressionと脳虚血との関係を一貫して研究している。脳虚血後の内因系apoptosisの経路としてはミトコンドリアからのcytochrome c放出が始まりと考えられていた。しかし、近年細胞質内のBax等のpro-apoptotic factorがミトコンドリアにtranslocationし、cytochrome cの放出を促すことが明らかとなった。HSP70は細胞質内タンパクであるため、我々はHSP70が細胞質内でBaxに直接作用し、Baxの細胞質からミトコンドリアへのtranslocationを抑制することによりcytochorme cの放出を抑制し、apoptosis cascadeを抑制すると仮説を立てている。最終的にHSP70 transgenic miceとそのwild typeを用い、免疫染色およびWestern blottingを行い両者を比較し、HSP70 overexpresionによるBax translocationの減少を示すことを目的としている。局所脳虚血モデルは、C57BL6マウスを用いたintraluminal suture modelによる局所脳虚血モデルを作成した。30分閉塞後の再開通モデルを使用し、pilot studyを行った結果、梗塞巣を安定して形成することがこれまで同様可能となったため、免疫染色を行うこととした。cytochrome cの免疫染色法で固定方法を工夫すると、ミトコンドリアではなく細胞質にあるcytochrome cを特異的に染色することができるため、Baxとcytochrome cの二重染色を行い、Baxの細胞質からミトコンドリアへのtranslocationの時間経過について定性的評価を行う予定である。cytochrome cの染色が安定して可能となり、HSP70 transgenic miceとwild typeの虚血モデルでの染色もこれまで同様の結果を得た。現在Baxの染色を行っており、controlでの染色が可能となったので、来年度は虚血モデルでの染色を行う予定である。
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