2006 Fiscal Year Annual Research Report
拡散テンソル画像の統合によるガンマナイフ治療の安全性向上に関する研究
Project/Area Number |
18791013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丸山 啓介 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (10345192)
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Keywords | 医療・福祉 / 神経科学 / 脳・神経 / 脳神経疾患 / 放射線 |
Research Abstract |
MRIの拡散テンソル画像から得られるトラクトグラフィーと、治療計画用の三次元的MRIの画像を合成するためのハードウエア一式を設置した。これは当診療科に既に設置されているものを一部利用する形とした。画像解析ソフトウエアの導入を含め、三次元的な画像処理を行う環境を整備した。これらを利用して画像処理を行った画像データをガンマナイフの治療計画用ソフトウエアに転送することにより、過去に行われた脳動静脈奇形に対する治療、および新規に治療を行う患者において、大脳白質繊維に照射された(あるいはされる)線量を算出した。対象は過去に、あるいは研究期間中に治療を行った錐体路近傍の脳動静脈奇形30例と、視放線近傍の脳動静脈奇形15例の45例とした。 錐体路近傍の脳動静脈奇形30例における錐体路への線量は、病変との距離により2.0Gyから39.6Gyまで及び、平均±標準偏差が17.2±10.9Gy、中央値が14.4Gyであった。研究開始時に既に運動麻痺が出現していることが判明している者の解析において、20Gyおよび25Gy以上照射される錐体路の体積が予後と相関する可能性が考えられたため、これらも算出した。平均±標準偏差がそれぞれ357±1611mm^3、161±768mm^3であった。視放線近傍の脳動静脈奇形15例における視放線への線量は2.0Gyから32Gyの値をとっており、平均±標準偏差が9.2±8,7Gy、中央値が7.6Gyであった。現在これらのデータのさらなる分析を用い、さらに詳細な臨床的データを組み合わせて統計解析を行うことにより錐体路および視放線の耐容線量の算出を行うと同時に、治療した患者において麻痺を含めた合併症の発生状況につき追跡調査を行っている。
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