2007 Fiscal Year Annual Research Report
術中神経モニタリングの定量測定を可能にする脳表電極の開発
Project/Area Number |
18791016
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
後藤 哲哉 Shinshu University, 医学部附属病院, 助教 (30362130)
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Keywords | 術中電気生理モニタリング / 脳表電極 / フィブリン糊 |
Research Abstract |
脳神経外科手術における術中電気生理学的モニタリングのうち,脳表電極においてはマッピングのためのボール電極やモニタリングのためのシリコンストリップ電極などが使用されているが,これらを脳表に固定する方法はなく,脳表電極を脳表に固定する方法を確立するのが本研究の目的である。 1.フィブリン糊の通電特性を更に調べるため,インピーダンス測定器による通電による変化を計測した。結果刺激時間0.2mS頻度500Hzの5回刺激を1Hzで繰り返した場合100回刺激まではインピーダンスは減少し,その後増大していくことが観察された。またこの現象はラット脳表でも同様に観察された。インピーダンスの増大する前では気泡の発生は確認されず,また炭化も確認されなかった。 2.ラット脳くも膜上に直接4mmのプラチナ電極を設置し,刺激強度と頻度を変化させながら,脳表の変化を確認した。結果インピーダンスの上昇する前の1Hz100回刺激で0.2mmの深さまで組織の膨化を確認した。しかし0.1Hz100回刺激では組織の膨化は認められなかった。 3.ラット脳表くも膜上にベリプラストを敷いた後プラチナ電極を設置し,刺激強度と頻度を変化させた。結果ベリプラストを敷くと組織の膨化が同じ刺激強度では少ないことが分かった。 フィブリン糊を電極と脳表のあいだに置くことで,脳表の組織のダメージを少なくすることができる可能性が示唆された。この結果は確実な固定を行えることとは別に,フィブリン糊を使用すべき理由になると考えられる。
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