2006 Fiscal Year Annual Research Report
中性子捕捉療法における硼素化合物包埋リポソームの投与法としてのCEDの有用性
Project/Area Number |
18791030
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
川端 信司 大阪医科大学, 医学部, 助教 (20340549)
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Keywords | Convection Enhanced Delivery / BNCT / リポソーム / glioma |
Research Abstract |
安全性に関して Convection Enhanced Delivery(CED)を用い、ラット正常脳モデルに投与したところ、投与後2〜4日後には体重が回復し、明らかな神経的異常を認めなかった。この変化は脳内にCEDと同一手技で生理食塩水を投与した場合と同等であった。 BSH包理リボソームの腫瘍細胞への取り込み 培養細胞はラットC6グリオーマを用い、20ppmのホウ素濃度となるよう調整したBSH、BSH包理リポソーム(Lip(BsH))、トランスフェリン(TF)標的BsH包理リボソーム(TF-Lip(BSH))に24時間暴露し細胞への取り込みをみた。BSHおよびLip-BSHはともに5〜6μg/10^5cellであったのに対し、TF-Lip(BSH)は11と約2倍の取り込みを示した。 脳腫瘍のモデルでのホウ素集積 次いで、CEDを用いてラット脳腫瘍モデルにTF-Lip(BSH)を投与し、腫瘍への取り込みを観察した。CEDは10μl/30min〜20μl/60minの条件で行い、化合物を15μgの化合物を投与し、投与終了後24時間後に集積を測定したところ、腫瘍への集積は12〜16μg/gであるのに対し、同側周囲脳で1〜3μg/gと非常に高いコントラストをもって集積させることが可能であった。 また薬物分布の可視化として、リボソームにロダミン標識し、同様の手技で投与を行なったところ、リボソームは腫瘍に高集積を示し、周囲脳との明かなコントラストが得られていた。 現在リボソームにホウ素化合物と造影剤を混入包理し、CTで集積動態が可視化できるように調薬中である。 次年度の計画に関する準備状況 次年度の準備状況は良好で、これらの結果得られた条件で毒性・安全性実験および治療実験を実際の中性子照射を行い観察する予定である。
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